ーこの記事を見ればわかる!ー
・お茶はそもそも本当に健康に良いのか?
・知る人ぞ知る『白川茶』はどんな人に合っているのか?
・初めてお茶を淹れる人はどんなことに気をつけたらいいのか?
「お茶は健康に良い」
「海外ではお茶が流行っている」
という話をよく耳にします。どうやらお茶が最近人気らしい…
大手チェーン店スターバックスではティーに特化した「スターバックス ティー&カフェ」が東京と大阪でオープン。その他にもお洒落なティースタンドが全国各地に増えています。
そんな最近人気のお茶が、全国的に最も盛り上がるのが5月から始まる新茶シーズン。白川町も特産品である『白川茶』で町全体が慌ただしくなります。
白川茶とは、お茶栽培の北限と言われる山間地帯で作られる銘柄茶。白川町や東白川村を中心に栽培され、深い味わいに定評がある希少茶です。
お茶が盛り上がるシーズンなのは分かっているし楽しみたい気持ちがあるけど、大阪から移住してきた僕にとってお茶を淹れる事自体にハードルがある…。しかも正直なところお茶や白川茶の事を全然知らない…
ということで、お茶素人の僕が白川茶を楽しむために、お茶のプロに突撃して疑問をぶつけてきました!
白川町役場の企画課商工観光係の係長を務め、お茶農家・茶師としても活動する渡辺憲正(わたなべかずまさ)さん。役場ではぼくの後ろの席に座っておられます。
「お茶についてお話を聞く適任者が、こんな近くにいた…」
憲正さん、お願いします!
知る人ぞ知る、”通”な白川茶
——そもそもなんですが…白川茶というのは他のお茶と比べて美味しいんでしょうか!?忖度のない、正直な意見をお願いします!!
美味しいですよ(笑)
他のお茶と比べると濃厚ですね。甘さもあるけれど渋さもあるから、濃厚に感じます。
——濃厚ですか!
他の地域で言うと、たとえば九州のお茶は甘い。渋みが少ないから「飲みやすい」と感じる人が多いです。
——なるほど。各地域で特徴があるんですね。
味覚は人それぞれで年齢によっても変わっていくので、いろいろ試してみるのも面白いですよ!
あと、自分の土地のお茶を飲みやすいと感じる人が多いです。
——自分の土地というと?
お茶は昔、全国どこでも収穫できて自分の土地のものを飲む地産地消の作物だったんです。
それが『商売』となった時に、質の良い売れるものを作れる産地だけが残りました。
白川町は山合いの土地で、昼夜の寒暖差が大きいです。それはお茶にとっては厳しい環境なんです。
——それなのに産地として残り続けているんですか?
植物は昼に栄養を蓄えて、夜に成長するんです。白川町は夜が涼しいから、その成長がゆっくりゆっくり進んでいく。だから栄養が葉っぱにぎゅーっと詰められている、というイメージかな。
——厳しい環境で育った茶葉だからこそ濃厚な味になるということですか…!
そうです!
——ぼくは大阪出身なんですけど、大阪のお茶って…?
実家で飲んでいたものとか、最近の人はペットボトルのお茶が多いかもしれませんね。それが自分の中で『標準の味』になっています。
——へえ~!ちなみに濃厚な白川茶はどんな方に合っているんですか?
濃いお茶が好きな人、かな。ペットボトルなら普通よりも濃い味のものを買う人。
——分かりやすい!値段的にはどうなんでしょうか。
白川茶は質が良く希少なので、高級品として扱われています。
——おお…
流通量は1%未満だから、地域と関わりがない一般の方で白川茶を飲んでいるのは、”通”な方だと思います。何かの機会に飲んで「美味しい」と思ってくれたんでしょうね!
——(カッコええやん白川茶…)でも”通”な高級品と聞くと、初心者には手を出しづらいような気が…
いえ、淹れ方にこだわりがなくても美味しいものは美味しくなります!
コツは「沸騰したお湯をちょっと冷ます」ことですね。それだけで味がぜんぜん変わるので、初心者だと思っている人も気軽にいろいろなお茶を試してみてほしいです。
ーまとめー
・白川茶の味は『濃厚』。濃い味が好きな人にはおすすめ!
・”通”な人が飲む白川茶は、流通量が1%未満の希少で良質なお茶!
・お茶を淹れる時は、沸騰したお湯を少し冷ます。それだけで美味しくなる。
お茶は健康に良いって、本当?
——ちなみにぼくはどちらかと言うとコーヒー派で、家ではコーヒーを淹れます。お茶に興味を持ったのは白川町に住んでからなんです。
僕もコーヒー大好きですよ!この前は家でコーヒー豆の焙煎をしました(笑)
——え、焙煎!?
家で飲む時はお茶よりもコーヒーのほうが凝って作ります。ラテアート頑張って書いてみたり。
——コーヒーとお茶の二刀流…しかもどっちも玄人な大谷翔平スタイルじゃないですか!
場面によって飲み分けています。どちらも準備含めて『3分程度でできる料理』だと思います。その中でいろいろな実験ができると思うと、面白いです。
——たしかに!どちらも嗜好品になってきていますよね。ちなみにお茶はよく「健康に良い」と言われます。あれって本当なんですか?
本当です。もともとお茶は中国で薬として使われてきました。お寿司屋さんではお茶を飲みますよね?あれは「毒消し」と言われます。
——生魚で食あたりしないように?そんな効果があったんだ…
そうです。
他にもお茶は淹れる時の温度帯によって抽出される成分が変わるので、自分が求める効果によってお湯の温度を変えるのも楽しいですね。
——味だけじゃなく成分も変わるんですか!
たとえば朝目を覚ましたい時は、高い温度で淹れるとカフェインがたくさん出ます。逆にリラックスしたい時は、ぬるめのお湯で淹れるとテアニンという成分がたくさん出るのでおススメです。
——いろんな工夫ができるんですね。ぼくも二刀流、目指そうかなぁ…
最初はお茶屋さんで売っている「真ん中ぐらいの値段の商品」を飲んでみるのがおススメです。白川茶で言うと100gあたり800円〜1000円程度の商品です。
それぞれのお茶屋さんのベースとなる商品なので、自分に合う味かどうか確認できます。
ーまとめー
・お茶は健康に良く、淹れる温度によって成分も変わる。
・はじめはお茶屋さんの『真ん中ぐらいの値段』の商品を買うと良い(白川茶では100gあたり800円~1000円)
衰退していく、名声高いブランド
——味が濃厚で通好み、そんな白川茶ですが課題などはありますか?
うーん、そうですね。まずは生産量が少ない。少な過ぎる(笑)
あとは後継者不足ですね。そういう目に見えない不安要素を抱えています。
——生産量で言うと、お茶を飲む習慣自体が減ってきていますもんね。
仕方ない部分はありますね。飲み物の多様性が進むなかで、勝ち残っていけなかった。
——白川町内では今もたくさん飲まれているんですか?
今もかなり飲まれていて、町民の文化として根付いています。
ただスーパーで買ったペットボトルが冷蔵庫に入っている家庭も増えてきていると思います。
——お茶が根付いている地域でも、急須などで茶葉からお茶を淹れる方が減っていると…
やっぱりペットボトルは楽ですからね(笑)
ただ急須で飲むのとは、濃厚な香りや味という点でまったく違います!みなさんに一度試してみてほしいです。
こういう言葉があります。「安いお茶は喉を潤すけれど、高いお茶は心を潤す」
——それはいったい誰の言葉なんですか!?
手揉み保存会の前会長、小池彼男(こいけのぶお)さんです。
小池彼男さん:約60年お茶の生産加工に関わり、白川町に数多くあった茶工場を統一して品質の向上・均質化に貢献。現在は手揉み保存会の顧問を務め、伝統ある技術の伝承にも尽力している。
——前会長さんですか…長年の経験から生まれた言葉ですね…
製茶組合も減ったし、売上は全盛期の7分の1以下になりました。
全盛期の平成2年の売上は7億円以上。現在は1億円以下に
でも今もブランドとしての名声は高いですし、このブランドは残していきたいですよね。
たくさんの生産量を販売することは難しいけれど、白川茶が『記憶に残るお茶』になればなぁと思っています。
——そのためにもまずは実際に飲んでみて欲しい、ということですね!
お茶屋さんでお茶の淹れ方の体験講座をしているところもあります。新茶の時期であれば『お茶摘み体験』もおススメです。
ふるさと納税では白川茶の返礼品もあるので、町としてはそちらで入手してくれると嬉しいです(笑)
お茶と触れあう機会はたくさんあるので、勇気をもって飛び込んできてください!
ー総まとめー
・白川茶はブランドとして名高く、白川町の文化として根付いている。
・「安いお茶は喉を潤すけれど、高いお茶は心を潤す」
お茶を今までよりも少し、身近に感じられるようになった気がします。
白川茶、淹れてみたくなりました。
【白川茶 ふるさと納税ページ】
〇ふるさとチョイス
https://www.furusato-tax.jp/city/product/21506?category_id%5B%5D=114&incsoldout=1
〇さとふる
https://www.satofull.jp/products/list.php?cat=165&q=%E7%99%BD%E5%B7%9D%E7%94%BA&cnt=60&p=1