みなさんこんにちは。
ヤゴー編集部の澁谷(しぶたに)です。大阪から白川町に移住してあっという間に半年が経ち、僕も自分のことを「白川町民」だと名乗ることに違和感がなくなってきました。
しかし、町での生活に慣れると同時にある問題が…!それは、
『車でしか移動しない』
ということ。
「田舎は車が無いと生活できない」
はまさに白川町に当てはまる言葉。移動は、車、車、そして車!
車がないとスーパーにも行けない。まして、どこかに遊びに行くことなんて夢のまた夢。
僕の家から最寄りのドラッグストアまでは徒歩45分!(車では5分ほどなので、町内ではかなり近いほうです)
移住して2ヶ月目、徒歩で買い物に行った帰り道に腹痛を我慢できなくなり暴発してしまった過去を持つ僕は、白川町で徒歩移動することにはかなり抵抗があります。29歳にして暴発を記録したあの日は、ショックで半日寝込みました。
しかしなんと、そんなトラウマを払拭してくれるかもしれないこんなツアーが企画されました。
『中学生が、公共交通機関を使ってイオンに行こう!』という企画。
イオンと言えば中学生の聖地!
親に運転してもらい家族と行くのではなく、友だち同士だけであの聖地に足を踏み入れることが中学生の夢!
そんな夢が今回叶うんです。
でも、ほんとに車を使わず行けるのか…?
ちなみにこちらが町の玄関口である『白川口駅』から『イオンモール各務原店』までのルート。車で約1時間。そしてこの白川口駅からであれば、電車とバスを乗り継いでイオンに行くことが可能。
つまり白川口駅まで車を使わずにたどり着くことができれば、中学生の夢が叶うということになります!
どこへでも行ける「おでかけしらかわ」
そのために必要なのは白川町を走るバス、通称おでかけしらかわの利用。
おでかけしらかわには上記の種類があります。大別すると
・決められたルートを決められた時間で回る定期バス(一般的なバスです、以降は「濃飛バス」と記載)
・予約することで希望する場所・時間に利用することができる予約制バス(乗り合わせのタクシーのようなイメージ)です。
この2つを組み合わせると、白川町内であれば低価格でどこへでも行くことができるとのこと。
調べて見ると、白川のバスはかなり便利で親切なことが分かります。
とりあえず、僕も中学生と一緒に車を使わずイオンに行ってみよう。
とはいえ、バスが便利に配置されているものの、使ったことがないと仕組みがなかなか難しい…
濃飛バスは一般的なのでイメージしやすいですが、その濃飛バスが停車するバス停に行くためにも、多くの人は予約制バスを利用する必要があります。
僕も白川町に来てからJR白川口駅(岐阜市や名古屋にも行くことができるので、かなり便利な駅です)を利用したことはあるけど、その時はもちろん駅まで自分の車で行っていました。
「自分の家からどうやって駅までたどり着けるんやろ?」とまったく分からないので、とりあえず予約専用番号に電話。
澁谷:「おでかけモニターツアーに参加したいので、バスを使って白川口9時発の電車に乗りたいんですが」
受付:「分かりました。中学生ということでよろしいですか?」
澁谷:「すいません、大人です」
そんなスムーズ?なやり取りを経て、当日の行程が以下のように決定しました!
【当日の行程】
8:35 自宅
↓ 予約制バス
8:40 ドラッグストア
↓ 濃飛バス
8:55 白川口駅
↓ おでかけツアー
10:49 イオン
予約制バスに乗り、近くのドラッグストア(僕にとっては因縁のある場所)で濃飛バスに乗り換え、駅に向かうという行程になりました。なんだか思ったより簡単やぞ…?
(電話をして希望を伝えれば、当日の時間やルートなど細かく教えてもらえます)
いざバスでJR白川口駅へ
午前8時35分。来た!なんだか緊張してきた、、、
車を置いて家を出るとあの日のトラウマが蘇る…しかも行き場所はあの日と同じドラッグストア。
いや、今日は僕は一人じゃない。バスが味方だ!
電話で教えられていた通り、乗車と同時にさっそく一日券を購入。
予約制バスのゾーン内移動*は片道200円、または400円の一日乗車券を購入して移動します。
一日乗車券が安過ぎて価格破壊が起きているような気もしますが、これは利用者としては嬉しいこと。
*ゾーン:白川町にある5地区(白川地区・白川北地区・蘇原地区・黒川地区・佐見地区)に応じて設定されている予約制バスの運行範囲
車内はこんな感じ。乗り合いの大型タクシーといった感じです。これで一日400円は安過ぎます。
この一日券は、濃飛バスと予約制バスの両方に使えますが、予約制バスの使用には同じゾーン内の移動に限られるという制限があります。
JR白川口駅は白川地区のため『白川ゾーン』ですが、僕は『蘇原ゾーン』から乗車しているので、
・予約制バスで蘇原ゾーン内の濃飛バス停車駅(ドラッグストア)に向かう
・そこで濃飛バスに乗り換え白川口駅に向かう
という手順を踏みます。ちょっとややこしい。でも使いこなせたら低価格でどこでも行けるという優れもの。
そうやって濃飛バスで駅に着いた中学生たち。
聖地に向かう彼らの表情はどこか固い。きっと昨日は緊張で眠れなかったんやな…
電話で聞いた通りに乗車すれば移動できるので、思っていた以上に簡単に最初の目的地に到着することができました。
午前8時55分。中学生に混じって大人が降車してきました。僕です。昨日は緊張であんまり眠れませんでした。
トイレの心配もなく、無事に駅に到着できたことで既にやり切った気持ち。
まだ白川町内ですが、普段利用しないバスを使って駅に到着したということで、どことなくみんなの表情に達成感があります。
とりあえず時間がないのですぐに駅構内へ。
この日の参加者は中学生13人。夏休み中ということもあり、みんなのテンションが上がります。
たしかに徒歩移動が難しい田舎だと、同級生と会うのも一苦労だよなぁ。
人生で初めて電車に乗る中学生、切符を買う練習をする
車内では男子は男子で固まり、イオンで何をするかを考えています。というかそもそも、みんなは電車に乗ったことがあるんかな?
聞いてみました!
Hくん:お母さんのお腹にいる時に乗ったことがあるみたいっす。
澁谷:お腹!?生まれる前ってこと?
Hくん:そうですね。生まれてからは初めてっすね。
澁谷:胎児の経験ってカウントするんかなぁ。やっぱり初めての乗り物はテンション上がる?
Hくん:普通っす。
家族で移動する時は車だろうし、学校への登校や遠足はスクールバスで動くから、なかなか公共交通機関を使うことがないみたいです。
今日電車に乗るということで、きっと気になってお母さんと
「おれって小っちゃい時に電車乗ったことあるん?」
「ないけど、お母さんのお腹にいた時はいっしょに乗ったで」
「ふーん」
みたいなやり取りをしたんだろうな…(すいません、僕が関西人なので関西弁の補正が入っています)
Mくん:僕は二回目っすね。
澁谷:イオンでは何するか決まってる?
Mくん:とりあえず高校生のお姉ちゃんからお遣い頼まれたので、それを買います。
澁谷:何を頼まれたん?
Mくん:美容品っす。「こういう効果出るやつ買ってきて」って。
澁谷:指示がアバウト!高校生女子の美容品とは、、なかなかハードルの高いお遣いや…
乗り換えをする『美濃太田駅』で降りて、みんなで切符を買う練習です。
「いやどんな練習やねん」とツッコみたくもなり、微笑ましくもなる。みんな前の人がどうやって買っているか興味津々。
そういえばこの日の様子をツイートすると、
もう40年も昔だけど、中学生の時に修学旅行の練習で新幹線に乗る練習したな。
白川は移動手段が車くらいしかないから進学で上京すると本当に大変なのです。 https://t.co/hz9pHiYvUW— ナタリィ🐶 (@naritanatari) August 9, 2023
という反応が…!
昔の白川町では中学生が「新幹線に乗る練習」を体育館で行っていたようです。いや、、、どんな練習やねん。
僕が家の近くから予約制バスに乗ったのは8時35分。イオンに着くのは10時49分。
家から車で行くよりも1時間ほど長い移動時間となります。
移動に疲れてぼーっとしてきています。さ、もうすぐ目的地!
聖地での自由行動
イオンでは、中学生のみんなは約5時間の自由行動です。
みんなの様子を取材しようと思っていましたが、、、
広すぎる店内。一度目を離すと最後の集合時間までほとんど遭遇することはありませんでした…
お気に入りのバッグを買ったり、
「すっからかんになりました!」
となぜか満足気な表情を見せてくれたり。
とりあえずみんな楽しめたみたいです。良かった良かった。
たっぷりイオンを満喫して白川口駅へ戻ってきました。
ここからはまたそれぞれ予約していたバスに乗り込み帰宅。
予約制バスを利用すれば、中高生だけで行きたい場所に行くことができるし、車を運転できないという方にとってはかなり使い勝手が良いです。
白川町外の方も利用できるので、ぜひ町内に遊びに来る時は気軽にご利用してみてはいかがでしょうか?
※今回のモニターツアーへの参加は、加茂地区の「校外生活の約束」の順守を宣誓したうえで行われています。
【おでかけしらかわ・ひがししらかわ】
https://www.odekake-shirakawa.com/
ご予約番号:0574-74-1001