実家のある黒川地区を中心に、石垣島との2拠点生活をするフォトグラファー、榊間咲世(さかきま さくよ)さん。
現在はフォトグラファーとしての仕事だけでなく、
「環境に優しく、心を大切に」というテーマを掲げたマルシェ『フィウーメマルシェ』を2022年から白川町で開催するなど、町内での活動を積極的に行っています。
そんな咲世さんの経歴には、自他共に認める『自由人』っぷりが溢れています。
【自由人!咲世さんの経歴】
高校卒業後、アパレルのショップ店員となり名古屋、東京へ。
その後フィジーへの短期留学を経て、ワーキングホリデー制度を利用してオーストラリアで生活。岐阜に戻りカメラのメーカーで販売の仕事をしながら、フォトスタジオの手伝いをすることで初めてカメラに触れる。
当時は趣味で友人のウエディングの前撮りなどをしており、仕事にするつもりはなかったそう。
そこからまた東京に行ったり、ワーキングホリデー制度でニュージーランドに行ったり、帰国途中のインドで触れたヨガにはまって帰国後ヨガの会社に就職したり…
現在の石垣島に移り住んだ理由を伺うと
「旅行で石垣島に行った時に、このまま住んでもいいんじゃないかなって思いました(笑)それで生活するためにも、趣味だったカメラを仕事にしてみようとアシスタントの仕事を探したのが今に繋がるきっかけです」
と笑いながらお話されました。
自分の中から生まれるパッションと周りへの想いで動く、咲世さんのユニークなお話をお楽しみください!
カメラを通して「自分」から、「相手がつくる雰囲気」へ
——カメラを仕事にされたのは約2年前に石垣島での生活を始めてからとお聞きしました。きっかけについて教えてもらえますか?
初めは興味本位でした(笑)この仕事なら場所も選ばないし、石垣島でも生活していけるので。
——当時からカメラは趣味として触れていたんでしょうか?
はい、10年ぐらい前からですね。友人のウエディングの前撮りなんかもさせてもらって「カメラマンになれば?」って言われたこともありました。
でも、趣味を仕事にすることに抵抗がありました。仕事にしてカメラのことを嫌いになりたくなかったんです。
——たしかに趣味で続けることと、お仕事にすることには違いがありそうですよね。
とはいえ、仕事にすることには元から興味があったのかなって思います。
石垣島で仕事を見つけようと、趣味で撮っていたこともあって『ウエディングサロンのカメラアシスタント』の仕事を探したんです。
そしたらなかなか見つからなくて、どんどん「やりたい」気持ちが強くなっていきました(笑)いろんな人に連絡して、ようやくアシスタントの仕事を見つけました。
——動き出すと「やりたい」が抑えられなくなってきたんですね…!実際にカメラを仕事にされていかがでしたか?
趣味の時と同じで「めちゃくちゃ楽しい!」ってなりました(笑)
——良かった(笑)普段から自由に動く咲世さんが抵抗を感じたのは、それだけカメラが大事なものだったからなんでしょうね。
カメラ、好きですね。人を撮るのが好きなんです。
——どんなところがお好きなんですか?
昔は、ただなんとなく「自分が楽しい」っていう感覚だったんです。
でもだんだん、人を撮る時の雰囲気が楽しいんだなと思うようになりました。
——雰囲気ですか。
特に結婚なんかは、幸せの絶頂じゃないですか!その時の2人の雰囲気って、2人の間柄があってその場所だからこそ生まれるんですよね。それを撮影することで、私も幸せを分けてもらっています。
2人の表情もそうですけど、雰囲気が伝わる写真を残したいなって思いますね!
——たしかに、一生に一度のウエディングに関わるお仕事だと、感情も大きくなりそういった雰囲気が強く感じられそうですよね!
そうですね。ウエディングを撮り始めたのは、きっかけとして大きかったかもしれません。
後は年齢を重ねるにつれて、もっといろんな人のそういった雰囲気を撮影したいと思うようになりましたね!
パッションの1回目と、白川町ならではの2回目
——いろんな人というと…?
白川町って家族連れやお年寄りが多いじゃないですか!なので町内で家族写真や、お年寄りの写真を撮ったりしています。
30歳を過ぎてからは「お年寄りとか子どもに優しくなりたいなぁ」なんて思いますね(笑)
——白川町では、町内の人たちだからこその撮影をされているんですね!
白川町ではなかなか仕事は少ないなって感じですけど(笑)
——お仕事が少ない白川町ですが、咲世さんは2022年からフィウーメマルシェの主催やカメラマンのお仕事など、町内での活動を増やしています。
「最終的に岐阜に帰って来たい」っていう感覚はずっとあったんです。
地元での活動を通して、白川町の人に楽しんでもらうのと同時に、人との繋がりをつくることで「自分がこっちに戻ってきやすくなるかな」というのもありました。
——それはやっぱり地元への想いが強かったからでしょうか?
そうですね。家族がみんなこっちにいたり「いつ帰って来るの!?」って何度も言ってくれる友だちもいるので、やっぱり愛着がありますね。
——これまでのご経歴は『自由に1人で動く』という印象ですが、マルシェは人を巻き込んで場所をつくる活動ですね。
たしかに。でも石垣島では移住者の人を中心に、ゴミ拾い活動みたいな『サステナブルな活動』をフットワーク軽くやる人が多いから、みんなで活動する時も沢山ありましたね。私も向こうでは移住者なので、そういう人たちと関わって活動していると楽しいし、自分も周りも良い気持ちになるんです。
——たしかに、そういう活動は気持ち良いし町にとっても嬉しい活動です!
地元の友だちと「集まってなんか楽しいことしたいね」って話している時期でもあったので、人が集まって、楽しく白川町にとって良いことができないかなって思ったんです。
元から人を集めるのは大好きだけど、知らない人まで集めたのは初めてでしたね(笑)
——それがいきなりのマルシェ主催だったんですね(笑)
パッションですね!「やってみたい!」って思ったら動き出してました(笑)
——実際やってみていかがでしたか?
たくさん人が来てくれて、すごい楽しかったですね!
ただ1回目は勢いで動き出したこともあり、自分の気持ちが強く出たイベントになっていたなと思います。
2回目は、家族連れで来てくれることが多い白川町の人たちに合わせて、お店の展開や内容を考えました。
——撮影と同じく、イベント企画も白川町だからこそのものになっていくんですね。
これまではたまに帰省するだけだったから「家族や友だちに会いに行こう」っていう感覚だったんです。
でも住むと、めっちゃ素敵なところだなって思うようになりましたね。四季を感じて、山の緑を見たり。最近ようやく花を見て綺麗って思えるようになりました(笑)
——たしかに住むと、感じるものが変わってきますよね!
『靴飛ばし大会』から始まった白川町のイベント
——咲世さんは、まず勢いで動き出してみてから周りとのバランスを図っていくんですね。
そうですね(笑)
私中学生の時、生徒会長をやってたんですけど、その時『靴飛ばし大会』を開催したんです。自分ではまったく覚えてなかったんだけど、マルシェで出店してくれた後輩が「あの大会めっちゃ面白かったです~!」って覚えててくれて。
昔から、動きたいと思ったらすぐ動いてたんだろうなって思います。
——すごい楽しそうな企画…!中学生の頃のイベントを未だに覚えているというのは、後輩の方にとってもすごく楽しい企画だったんですね!
生徒会長の時はたくさん企画しましたね!
中庭にでっかいクリスマスツリー建てたり、CBCのテレビ番組に応募して卒業式に歌手に来てもらったりしました。テレビは当時の校長先生に反対されたので、全校生徒の署名集めて提出して実現しました(笑)
——企画力と行動力がすごい…!『靴飛ばし大会』のことを忘れるぐらい、たくさん行動されていたんですね(笑)幼少期から咲世さんは『自由人』だったんでしょうか?
そうだと思います。
後は、海外に行ったのも大きかったですね。中学生の時、白川町の交換留学でイタリアに行って「いつか海外に住んでみたい」っていう気持ちになったんです。
それもあって、大人になってから勢いで海外に行ったんですけど、向こうだと自分と同じように勢いで動いている人がたくさんいて、私も「自由でいいや」って思ったことがあります(笑)
——実際に勢いで動いてみることで、咲世さんらしさがどんどん強くなっていったんですね!咲世さんが今パッションを感じる、これからやりたいことはありますか?
フィウーメマルシェは春にしか開催できていないので、秋にもやりたいっていうのはあります。
後はスカイランタン(紙でできた小さな熱気球を空に飛ばす)を上げたいです。
昼間楽しめるイベント(フィウーメマルシェ)は考えたから、そのまま夜に繋げたら一日中楽しめるなって!
白川町の人だけじゃなくて、町外の人がわざわざ白川町まで来たいと思うものを作りたいですね!
——今後も町内での活動を増やしていかれるんですね!楽しみです!
そうですね!
そう言いながら、今週から石垣島行くんですけどね!(笑)
「白川町だとみんな、お客さんにお菓子とか出してくれません?それ好きなんですよね」
と言いながら、取材中にお茶とお菓子を出してくれた咲世さん。
自分自身と周りへの想いが詰まった『自由』な行動に、これから目が離せなくなりそうです。
咲世さん、ありがとうございました!
【榊間咲世(さかきまさくよ) さん】
屋号 :下畑
出身 :黒川地区
学校 :岐阜県立東濃実業高等学校
職歴 :アパレル、カメラ販売、ヨガスタジオ、飲食業、カメラマン
趣味 :写真を撮る、旅行、カフェ巡り、野球観戦、サウナ
読んでくれている人に一言:「写真残してますか?」
1日、1ヶ月、1年と、気づけば過ぎる日々を思い出せる写真は、いいものです。その時、その瞬間を残すお手伝いをしています!
取材年月:2023年05月