縦向きにしてください

「好きなことだけじゃ無理。でも…」

勝手に広報しらかわ”の中の人は、優しさをつなげていくメディアそのものだった!

今回は白川町のメインの通りを彩る水色の整体院『健心』の西野健二さんにお話しを聞きました!

「健心くん」でおなじみの西野さんは、ヤゴ―シラカワのライバル⁈『勝手に広報しらかわ』というSNSの運用など、様々な活動をされています。

 

体が元気になることが、町の元気につながる

——西野さん、よろしくお願いします。そういえば「西野さん」より「健心くん」や「健心さん」と呼ばれている印象が強くて…そもそもなぜ「健心」という屋号になったんですか?

健二の名前をとって「カイロ健」にしようと思ってたんだけど、師匠から「心が大事」って言われてきたので、「健心」にすることにしました。僕自身「先生」って言われるのは好きじゃないから「健心くん」って呼ばれるのが良いんです。

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パーカーに…だ、だちかん人…(健心さんオリジナル)

 

——では私も、健心さんと呼ばせてもらいます!整体院を始めるきっかけはなんでしたか?

おじさんの紹介で師匠の整体に通うようになったんですが、その整体院で施術を受けながら習い始めたのがきっかけですね。

——お客さんとして施術を受けながら修行されていたとは!

うん、習い始めたのは勢いです(笑)
でも元々通信高校を卒業してホームヘルパーをしているときも“もう少し踏み込んだサポートがしたいな”っていう思いがあったんです。

あと、自分自身アトピーがひどくて中学校はあんまり行けなかったからカウンセラーになりたいと思っていた時期もありました。

——ご自身の健康や仕事での経験が、整体院につながっているんですね。

そうですね。大きいことはできないけど…来てくれた人には、体が元気になって心に余裕をもってもらいたいですね。

自分に余裕ができると周りにも優しくできたりするよね?そんなやさしさが広がって白川全体が元気になったらいいと思うし、『健心』はそんな役割なのかなと思っています。

——なるほど…そんな想いが『健心』という屋号に込められているんですね!そういえばずっとお店はこちらの場所ですか?

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お店の外観には青色のインパクトある旗達が並ぶ

 

最初は実家の、薬屋をやっていた時の店舗スペースで開業したんだけど、2011年10月にこの場所に引っ越してきました。実は近くのパンショップイマイさんとは親戚で、「空いてるよ」って教えてもらったんです。それで元治療院だった場所をリフォームしました。

——今井富子さんともご親戚だったとは!2011年と言えば復興支援の活動もされてますよね?

『みんなが楽しいこと』をして、その”おすそわけ”をする

そうやね。復興支援の活動としては…商工会の青年部にプロジェクト委員というのがあって、そこで南三陸へ行きました。『福興市』というお祭りで『鶏ちゃん』を出しました。

——実際に現地にいって活動されたんですね。

そうなんです。そこで実際に「町がなくなる光景」を見ました。でも、現地の人たちのほうが元気で…支援に行った自分たちが元気をもらったくらいです。

本当はその次も行く予定をしてましたが、その秋は白川町も豪雨でひどい浸水被害があったの行けなかったんです。それで、1年後に福島から避難してきた白川町出身の方と一緒に「ハピフェス」という復興支援イベントを立ち上げました。

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ハピフェスのみんなと

 

——「ハピフェス」語感から明るい!どんなイベントだったんですか?

みんながスキルを持ち寄って、ステージやワークショップなどをする体験型のイベントです。社協*さんなんかも巻き込んで。10回はやろうって決めて、結局10数回やって寄付金50万円以上が集まりました!

*社協:社会福祉協議会

——その回数を継続する事が大変だと思いますが、実際に50万円以上の寄付額をイベントで集めたのはすごい!!

実は最初に南三陸に行った後は、支援も何も出来なかったんです。「何も力になれなかった…」と思うことが多々ありました。10回やろうと決めたのもそんな想いからです。

——実際の現地の状況や「元気をくれた」という現地の人達との交流もあり決断されたんですね。

遠いから中々現地に行くのは難しい。でも白川町で出来ることで『みんなが楽しいことをして、その”おすそわけ”をする事なら出来るかもしれない』そう思ったのが良かったのかもしれないですね。

——白川町でできることから始め、それぞれの関わり方で”おすそわけ”をする。

そうやね~。ボンジャス*さんという復興支援団体の理念「できることを、できるだけ」というのを聞いて、白川町で、できることをやろうと思いました。

*東北関東大震災支援隊本部:BOND&JUSTICE”(ボンド アンド ジャスティス)

あと長崎にも「ハッピーフェスティバル」というイベントをしている団体があって、そこと同じ支援先に寄付をすることにしました。活動をすることで、声をかけてもらったり、新しい繋がりもできましたね。

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白川町でのハピフェスの活動の時に

 

——地道に活動されるなかで、復興支援の輪が広がっていったんですね。活動が大きくなるにつれて、大変なことはありましたか?

『与えられること』をやっていく中で、協力してくれる人も増えてくる

大変なことか~…。動けば動くほど色んなことを言われるようになったので、ちょっとそれは気持ち的にも大変だったかな。ただある時から気にしなくなりました(笑)

——注目が集まった証拠だと思いますが、辛い…。

田舎だと好きなことだけじゃ無理、我慢しないといけないこともあります。でも、『やらなあかんこと』をやってると協力してくれる人も出てきます。それで、やりたいことができるようになってくる。

——すごくリアルですね…何が健心さんの原動力になっているんでしょうか?

僕、負けず嫌いだから(笑)

そもそも、自営業を始めて、商工会に入って、自分を覚えてもらうために色んな活動に参加してきました。“自分に何が出来るかな?って考えて、なんでも参加してみることにしたんです。

——考えながら、考えすぎず行動してみる。でしょうか?

そんな感じかなぁ。もちろん嫌なこともあるけど…与えられることをやってみると、出来ることが増えてくる。それを見た人から協力してくれる人が出てきて、更に出来ることが増える。

ある講演会で「頼まれごとは試されごと」って聞いたけど、まさにその通りだと思います。

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施術中の表情はプロの目線。ちょっとやってもらうだけでびっくりするほど肩があがるようになりました。

 

——「頼まれごとは試されごと」。私も大事にしていきたいと想います!健心さんといえばヤゴ―シラカワのライバル?!「勝手に広報しらかわ」というSNSもされていますが、いつ頃始められたんですか?

多分、世界一〇〇を撮ってる

個人でやっているものだから、ライバルではないけどね(笑)うーん、7年くらい前かな。元々はお店のアカウントとして始めたけど『勝手に広報しらかわ』になってきました。

——7年‼(大先輩だ…。)どういう変化があったんですか?

きっかけはmixiのコミュニティで白川町の写真をあげていたら「綺麗だね」って言われたこと!あと、白川町に「ウドちゃんの旅してゴメン(TV番組)」がきた時も駅から白川橋を映した映像が流れていたんです。それを見て『ああ、めっちゃ綺麗だなぁ…』と町の魅力を再認識しました。

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健心さん撮影。めっちゃ綺麗…

 

——mixi!めっちゃなつかしいです(笑)『勝手に広報しらかわ』でも白川橋の投稿をよく見かけますが、テレビでの放映がきっかけだったんですね!

多分、世界一白川橋を撮ってるのは僕じゃないかな(笑)実は御朱印帳みたいに「御橋印」みたいなのを作って、色んな橋をめぐってもらう企画を始めたら面白いんじゃないかって考えてます。

——白川橋の撮影数でギネスとれそうですね(笑)岐阜は川が多いから、白川橋を起点に『御橋印』めぐりをするのも面白そうです!

白川橋は現存する大正時代のつり橋として土木遺産や有形文化財になっているので、橋好きに白川町を知ってもらえるかもな~って!

——たしかに!(じゃヤゴーシラカワと共同で(笑))『勝手に広報しらかわ』と言えば  #白川郷じゃないよ白川町だよ  というハッシュタグも特徴的です。

そのハッシュタグは、実は元々あったんです。せっかくだからそれを使わせてもらってますね。

——地域おこし協力隊の車両(公用車)にも、しっかり入ってますもんね!

白川町の人って町のことを「何もない」っていうけど、協力隊の方など含め移住者の人たちで「宝がたくさんある」って言ってくれる人も多い。

#白川郷じゃないよ白川町だよ  のハッシュタグからそんな町の宝を知ってくれる人もいます。お店のLINEやInstagramで若い人と繋がって、白川町に興味を持ってくれた人とも何かしていきたいですね~!

——たしかに町のお店や訪れる1人1人が発信してくれると、それをお互いにシェアして広がっていきますよね!『勝手に広報しらかわ』や町のみなさんと一緒に、白川町の宝を広めていきたいです!

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勝手に広報しらかわの名札も!

隣の人が笑顔になることは、別の誰かの笑顔につながる

——色んな活動をされている健心さんですが、これからどんなことに取り組んでいきたいですか?

そうですね…『つなげること』をしていきたいです。自分が前に出るのではなく、やりたい人のサポートをして、誰かの想いが形になったり、誰かの笑顔に繋がることをしたい。

——今の整体師のお仕事も、まさにそうだと思いました。

仕事もハピフェスも地域のことも、隣の人が笑顔になることは、別の誰かの笑顔につながると思ってやっています。それに地域のことは仕事ではないから『失敗してもいいから楽しくなればいい』という気持ちが大切です。だから頑張る人は応援したいし、協力していきたい。

——健心さん自身が、SNSやメディアのようにつなげる存在になっていくこと、ですね!

実はその新田製茶さんのポン菓子も『つなげること』の例ですね。(インタビュー担当がお土産としていただいたもの)。

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お茶のポン菓子って珍しい気がする

 

喫茶つみきさんが知り合いで「白川茶を使ったポン菓子を作ってみたい」という話を聞いたから、新田製茶さんを紹介したんです。そしたら、いつの間にか商品になっていました(笑)こそこそきっかけをつくって喜んでいます(笑)

——まさかこのお菓子の裏側に健心さんがいたなんて…!!ヤゴーシラカワも人と人が繋がる場にしていきたいと思っているので、とても勉強になりました。健心さん、ありがとうございました。

 

 

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挙式も上げられた大山白山神社のテッペンで。どっちもすごい

取材年月:2022年3月※記事中の年月は取材当時のもの

【白川町の整体屋さん 健心】
〒509-1105 岐阜県加茂郡白川町河岐1632−10
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