白川口の中心街にある、エステサロン『癒 ieru』のオーナーであり、”金カツ”で有名な『喫茶 ポパイ』の看板娘でもある宮田 知香(みやた ともか)さん。
同級生が少なかったからこその成長痛や、「波乱万丈」と語る嫁いだ後…そこからサロンを立ち上げた想いなどについてお伺いしました!
最初は半信半疑だった
——知香さん、宜しくお願いします!ポパイのランチではいつもお世話になっております!(笑)
こちらこそです(笑)町内的には『ポパイの人』の印象が強い人が多いかもしれませんね。
——大変失礼な話ですが…エステサロンをやられている事は、ポパイの腸活メニューが気になって知香さんに聞いた時初めて知りました…。
いえいえ、エステサロン自体、外にあんまり発信していなくて基本口コミのお客さんが多いのでしょうがないです。お店も道沿いですが看板などは路面に大きく出してないですし。
——今まさにそのお店でお話をお聞きしているのですが、旧『寿し幸*』さんの中が今はエステサロンになっているとは、思いもよりませんでした!
外見まったく変わらないですからね(笑)
あと「エステしてる」というと贅沢してる!っていう固定概念があるみたいで…ひっそりとしてた方が来やすいっていうお客さんもいるので、丁度いいかなって思ってます。
——外見と中とのギャップにびっくりしました(笑)でも『寿し幸』さんの和の雰囲気が残っていて落ち着きます。
ポパイの腸活ドリンクもエステサロンからの発想だとお聞きしましたが、『癒 ieru』さんはいわゆる美容エステになるんでしょうか?
美容につながることはありますが、美容エステではないですね!菌に注目をしたエステをしていて「外と中から整える」という言い方の方が正確かもしれません。
——菌に注目したエステ…ですか?
はい、肌にも良い菌がいるのでそれをエステで『育菌』してあげたり、ポパイの腸活ドリンクのように体の中から『育菌』してあげる。それで体の活力や浄化力をアップさせる、という感じでしょうか。
——なるほど、『育菌』で体の働きを助けるエステなんですね。結果的に美容につながるけど、どちらかというと健康な体をつくるためのエステという事でしょうか?
そうです!美容だけじゃなく、健康を重視しているエステだからやろうと思えた感じですね!
——あ、過去に美容関係のお仕事をされていた訳ではないんですね!
まったくやっていませんでした!今のエステ方式も半信半疑で始めましたから(笑)
——そんな中、またなぜエステサロンを…??
色々あるんですが、大きなきっかけは5年前に父がなくなった事ですね。
自分の体を大事にしているようでしていない
ー5年前にお父さまが…そうでしたか…。
病気で亡くなったんですが、その時に健康について深く考えるようになったんです。自分の体のこともそうですが、その時には嫁いでいて子供もいたので家族の健康のことも考えるようになりました。
——健康な時は当たり前過ぎて、中々意識することって難しい…。
父の事もとても悲しくて、その時期はえらかったですね。当たり前が崩れた瞬間でもありました。そんな事もあり漠然と「健康について何かできないかな」と思うようになったんですが、食関係以外で自分は何が出来るのか?したいのか?わからなくて…。
——食生活改善やスポーツはわかりやすいですが、健康といっても無数に手段がありますよね。
そんな時、ポパイのお客さんから教えてもらったのが今のエステ方式だったんです!
——なんと、お客さんから!しかもタイミングがすごい!
私もそう思いました(笑)健康について他の人とすごく話をしていたわけではないので、ご縁を感じましたね。
——でもそのエステ方式には、半信半疑だったと(笑)
そうです(笑)私たちの世代はエステによくないイメージを持っている人もいますしね~。でも菌を活用した『自活・健康』に着目したエステである事と、タイミング的にご縁を感じたのでやってみよう!と思って勉強を始めて資格も取得しました。
実際に実践したら、自分の不調もおさまるようになってきたんです。
——半信半疑ながら自ら試してみる行動力がすごい!
エステだったら、家族にもできますしね!始めた時は、まず「家族に健康になって楽しく過ごして欲しい」という想いが特に強かったですから。
あと、エステをやってみて…「みんな自分の体を大事にしているようでしてないなぁ…」って感じるようになりました。
——(ああ耳が痛い…)私も「野菜ジュースとっておけば大丈夫やろ」と思っている節があります。
その気持ちは少しわかります(笑) あと「いっつも畑の野菜べとるから大丈夫やわ~」って言っていた人で、その後に実際に不調を感じて連絡を頂いた方もいましたね。
——田舎は自然がすぐ近くにあるから、健康に対して「自分は出来ている」と何となく思ってしまうのもすごくわかります!
そうなんですよね~!だから、知らない内に自分の体をないがしろにしてる人は多いなって感じますよね。
『癒 ieru』という名前にも、『自分の体を労う場所』にして欲しいなって想いを込めてますし、そんなきっかけをつくれたらなと思っています。
——そんな想いを込めたサロンだから、お客さんの層も幅広くて口コミで広がっているんですね!
ほんと、まだまだですけどね…!でも嫁いだ直後から比べると、色々いい感じになってきたかな~と思う。
——楽しそうに話されている雰囲気からも伝わってきます!嫁いだと言えば…そういえば知香さんは白川町出身でしたよね??
「なんだろこの世界!?」
そうですね、白川町の『佐見』の出身ですね!佐見の実家から白川口の家に嫁いだので、私一度も町を出たことないんですよね(笑)
ーということは、高校は町内の白川高校(略:白高*しらこう)に?
いや、高校は飛騨の方にある商業高校に行きました。正直商業やりたかった訳やないけど、先生から「資格とった方がいいよ」って言われたこともあって決めました。あと正直その頃の白高ってちょっと怖かったし(笑)
——あ、、、自由を求める人が多いな~と思った記憶はありますね~(笑)
めっちゃ言い方気をつけとるね(笑) 佐見はすごい真面目な人が多かったでね~!
でも、高校に入った時の第一印象は…「なんだろこの世界!?」って感じでびっくりしました。
——え、いわゆるスクールカースト的なやつですか??
それもあるけど、「名前すら知らない人がいる」って事に慣れなかったんです。佐見の中学校は同級生が16人だったんですが、高校になっていきなり何百人になったので、すっごくえらくって…。
なんか「こんな人数多いのに、みんなと上手くやってけるんかな?」って。
——実際に深く関われる人数には限界がありますもんね…
そう!佐見の中学校では16人みんな家族みたいな感じやったけど、高校では関わりあいがない人が同じ空間・学校にいるということに違和感を感じたというか…。
学校にいるのに、人に酔っちゃったもん(笑)
——それはしんどい…。
田舎って会ったら挨拶するのが普通なのに、逆に挨拶しちゃいけない空気みたいなのも感じて。ちょっと息苦しかったです。
でもその分、高校もすごく真面目に勉強してたので就職には困らなかったですけどね(笑)
ー怪我の功名(笑)ちなみに最初の就職は町内でしたか?
えらいことがあったから、いい風になってる
いえ、隣の七宗町の会社に就職しましたね。車で行けば近いので実家から通ってました。ちなみに佐見からいくと今住んでいる白川口はスルーしてしまうので、社会人バレークラブに入るまで白川口に殆ど来た事なかったです(笑)
——高校も飛騨の方だからまったくの逆ですし…逆に蘇原地域の人達は佐見に行った事がない人が多いみたいですね~。
…もしやその社会人バレーのクラブで旦那さんと出逢ったとか…?!
はい、そうです(笑)
あ、私は学生の時バレーやっていたので、そういう目的でやっていたわけじゃないですよ(笑)
——なるほど(笑)でも、大人になって集まれる場所や交流できるきっかけがあるのはいいですね!
お陰で町内の色々な人と知り合うことが出来ました。でも嫁いでからが苦労しましたね~(笑)嫁いだ先が飲食店をやっていて、その家業を一緒にやることなったんですが…。
——嫁いだ先が『寿し幸』や『ポパイ』など飲食店をやっているご家族だったんですね。昔から町の人に愛されている飲食店ということで、責任も大きそうです…。
最初は”旦那のお父さん”がメインでやっていて、旦那はその時はサブ的な感じでやっていたんですが、『寿し幸』『ポパイ』以外に2店舗やっていたんです。可児市にある居酒屋と町内の中華屋なんですけど。
——4店舗も!
そう、もう大変で…(笑)忙しくて社会人バレーは一回も行けなかったですね~(笑)
10年前に旦那のお父さんが亡くなってから更に大変になって…。あと、可児市の店はコロナの影響もあって売上が半分になってしまったんです。そんなことが色々あって『ポパイ』『寿し幸』以外の2つの飲食店をたたむ*ことを決断したんです。
ー色々なことが重なってしまったんですね…。
お店をやっていくのが難しそうな状況になったんですが、それでもなんとか子供を育てていかなきゃならないですよね?だから「自分でも何かやらなければ!」と思うようになったんです。
それで、まさにその時にエステに出逢ったって感じです!
——「自分でも何かやらなければ!」というリアルな問題と、お父様のことから意識されるようになった『自分と家族の健康』がつながったわけですね!
そうですね!まあエステも最初は半信半疑でしたけど(笑)
——半信半疑ながら行動したり、ご縁を実にする力を感じます。
むしろ流されながら、その時あるものを必死に掴んでやってきたのかもしれません(笑)
あと、「その時起きた問題はえらいけど、それが起きた事によっていい風に進んでいるな」と思いますね!
——(力強い…)
お蔭様で「この仕事でよかった」って事をやらせてもらってますし、子供達や家族も応援してくれてます。
——お子さんも応援してくれてるんですね!それは嬉しい!
私も「自分の体を労ってあげてないな~」と思ったらまたお伺いしたいと思います!知香さん、ありがとうございました!