縦向きにしてください

「だれもが集える庁舎を目指して」

オシャレ過ぎる話題の新庁舎を大解剖!

こんにちは、ヤゴー編集部の澁谷(しぶたに)です。今日は話題のこの場所にやってきました!

新庁舎の前で写真を撮る澁谷

 

2026年1月13日に開庁した白川町役場の新庁舎。

名産の東濃ヒノキをふんだんに使用したデザイン性抜群の庁舎は、新聞などでも何度も取り上げられ話題になりました。

上空から撮影した新庁舎

白川町の中心地の県道沿いに建つ新庁舎。すごい迫力です…(フォトグラファーの奥村さん撮影)

 

県道側から撮影した新庁舎

県道側、駐車場側の2か所の出入り口があります。県道沿いにはゆとりのある歩道が整備されています(奥村さん撮影)

 

庁舎内には東濃ヒノキを使った特注の家具や、リラックスできる館内BGM、なんとカフェまで併設!いやぁ案内してもらうのが楽しみ!

カフェ併設のエントランスホールでゆっくり

出迎えてくれた佐伯さん

出迎えてくれた佐伯さん

 

この日案内してくれるのは、企画財政課 庁舎整備室の佐伯さんです。

案内してもらう前に、まずは誰でも利用できるエントランスホールを満喫。

案内してくれる佐伯さん

広々としたエントランスホール。奥にはテレビもついたラウンジスペースが。カフェでオーダーしたものを飲んだり、打ち合わせなどにも利用できます

 

1階にあるカフェ『cafe de て~る』の安江さん

1階にあるカフェ『cafe de て~る』の安江さん。「役場の中にあるカフェですけど、どなたでも、いつでも来ていただいて、ゆっくりしていただけるのでお待ちしております」

 

「いやぁ~…良いですね。広々した場所でゆっくり珈琲を飲める役場なんて!」


「このエントランスホールとラウンジは平日は8時30分から20時まで、土日祝は 8時30分から17時15分まで開いているので*、待ち合わせなんかにもご利用してもらえます」

*『cafe de て~る』の営業は17時まで(定休日:水曜日、日曜日)

 

「あとこの、木をめり込ませたみたいな壁は…?」

木でできたような柱

庁舎の至るところに見られる特徴的な壁

 

「これは枠に”木材の製材過程で発生する皮付きの端材(はざい)”を張って、そこにコンクリートを流し込んでつくってます。木を転写した壁というか…本物をかたどったものですね。
普通だと捨てちゃう部分を、デザインのために使った感じです。たぶんこの壁は世界初だと思います(笑)


「すごい、白川町に世界初のものが…!そういうアイデアは佐伯さんが提案するんですか?佐伯さんからはすごく設計士感が出てるんですけど」


「設計士感…?」

お話する佐伯さん

まずはエントランスホールで珈琲を飲みながらお話

 

「佐伯さんから醸し出されている雰囲気が、なんとなく、、設計士です」


「いちおう白川町役場に入る前は、設計事務所で勤めてましたが…(笑)
この建物の設計をしてもらったのは『石本建築事務所』というところで、その方々がアイデアを出してくれました。
僕が在籍している庁舎整備室は、設計事務所の方々と打ち合わせをしながら、町民の方や職員とのつなぎ役を担うという感じですね」

オシャレ&便利なNew窓口

1階にある保健福祉課と町民課のスペースにお邪魔しました。こちらは多くの町民の方が利用する窓口!

1階窓口スペースの様子

一望できる長いスペースに、湾曲した形状も魅力的です

 

「すごい、なんですかこの湾曲した椅子、球体のライト!うわ、ライト固い、カチコチ!!」

椅子に座る佐伯さんと澁谷

座り心地、触り心地も最高です

 

ライトを触ろうとする澁谷

※テンションが上がって触ってますが、危険なので触らないようにお願いします…

 

「この椅子は東京オリンピック・パラリンピックの選手村で使われた白川町のヒノキが使われています」


「オリンピックに白川町の木材が使われてたんだ…!ちなみに湾曲してるのには理由があるんですか?」


「理由は…カッコいいからですね(笑)
あとコンセプトとしての「みんなを迎え入れる」という意味で、外観を含め湾曲した形になっています。
球体のライトは調光機能がついていて、時間によって色が変わります。朝は白っぽくて、だんだん暖色系になるようにしています。たぶん職員も気づいてないと思いますが(笑)」


「今は暖色系で、午後の陽射しと相まって落ち着きますね。あ!これ、番号案内システム!旧庁舎ではなかったですよね?」

番号案内システムの説明してくれました

新庁舎の窓口に導入された番号案内システム

 

 

「そうですね。これまで名前でお呼びしていたのを、番号にすることで個人情報を守ることにもつながっています。
あとこれまでは保健福祉課と町民課は別の建物にあったんです。それを横並びにすることで、いろんな手続きがワンストップでできるようになりました」


「待ってる人がだれもいないですけど…そういう時も押さないとダメ?」

番号案内システムの案内板

待ち人数が「0人」と表示された番号案内システムの案内板

 

「いちおうこれで記録として統計が取れるようになってるので、お願いします(笑)」


「用事ないんですけど、押してみてもいいですか?」


「…」

ボタンを押そうとする澁谷

綺麗な場所で、とりあえずいろいろ触ってみたくなります…

 

「え、押しちゃいますね?」


「いや、、あの…」


「…すいません、やめときます」

保健福祉課の矢嶋さんと、町民課の安田さん

1階の保健福祉課の矢嶋さん(写真左):「白川町役場に御用の際は、お気軽にご来庁ください!」
町民課の安田さん(写真右):「綺麗な新庁舎を、ぜひ見に来てください」

こだわりに溢れた2階部分

お次は2階へ!2階には各課の窓口の他に、なんとテラス席が用意されています!過ごしやすい季節には、カフェでテイクアウトした飲み物をテラス席で楽しむなんてこともできます。

2階へ案内してもらいます

エントランスホールに面した階段から2階に上ると…

 

2階の窓口があるスペース

階段を上って左手には、各課の窓口が。迫力がありながら、美しい景観

 

2階にある議場

反対側には、宙に浮いたように見える部屋が。議会が開かれる議場で『下見板張り』という日本建築の伝統的な外壁技法が使われています

 

「すっごお…!」


「2階を見て驚かれる方は多いですね」


「吹き抜けだから1階にいる時から気になってたんですけど、このオシャレな天井は一体どういう…?」

館内でいちばん目を引く天井部分

館内でいちばん目を引く天井部分(奥村さん撮影)

 

「これは『トラス構造』と言って、三角形を組み合わせているんです。構造的に四角形より三角形のほうが強いので。
白川町のシンボルである白川橋と同じ構造です」


「あ、単にオシャレじゃなくて意味があるんだ…!」


「使用している木材は、全て町内産の東濃ヒノキです。町有林から伐採したものや寄付でいただいた木材を使用しています。設計時には、町有林の木の樹径(太さ)を計測し、どんな大きさの木材が多く取れるのかを調査し、建物の梁や柱の大きさを決め、トラス構造の組み方を決めました」


「町の特産品を活かす構造になっているんですね」


「あと、細かいところで言うと「床の木材」にも工夫があります」

説明してくれる佐伯さん

教えてもらうと細やかなこだわりがたくさん

 

「床ですか」


「お伝えしたように庁舎は湾曲してるので、テラス席に向かうための道は少し曲がっているんです。そこに真っすぐな板を張るだけだと、歩いているとだんだん気持ち悪くなってくる。
だからところどころにこうした小さく加工した木材を入れて、形を調整しています。つくり手の方はかなり大変だったと思います」

木材が組み合わされた庁舎の床

同じサイズの木材だけでなく、ところどころに緩衝材となるよう加工された木材が

 

「全体が綺麗というのはもちろんなんですけど、細やかなこだわりや配慮がすごいですよね。その細部が全体を心地良くしているというか」


「細かく打ち合わせして決めていきましたね。設計を決める時は、2週間ごとに6時間ぐらいのめちゃくちゃ長い打ち合わせをしてました(笑)
でもそれは別に苦じゃなくて、楽しくてあっという間だったんです」

2階の手すり部分を説明してくれる佐伯さん

手すりの柵は、旧庁舎の階段の手すりの形を踏襲しています

 

新庁舎の天井

天井に張られている『合板』という木の板には、節がほとんどありません。建築に関わっている人からは「こんな綺麗な合板は見たことない」と言われるとか

 

議場のドアを触る佐伯さん

議場のドアの取っ手の木材部分は、波打っています。これは「白川町の川の流れ」をイメージしたもの

 

「前職での経験もあるだろうし、佐伯さんにぴったりのお仕事だったんですね。あ、これは地域の小学生がつくった作品ですか?」

白川町と東白川村の小学生がつくった作品

小学生の作品は1階、2階の共用スペースに飾られています

 

「そうです。夏休みに白川町と東白川村の小学生が、左官職人の方といっしょに壁塗り体験をしたんです。その時にみんながグループになってつくってくれた作品を展示しています」


「一生の思い出だなぁ…みんな個性的。このうっすら見える『T・P・A』ってなんだろう」

3色に、3つのアルファベットが描かれた作品

3色に、3つのアルファベット

 

「3人グループでつくったもので、それぞれの子どもたちが好きなYoutuberの頭文字を書いたと言ってました(笑)」


「…思い出ですね」

壁塗りワークショップの様子

壁塗りワークショップの様子

白川町の新たなフォトスポット

最後はテラス席にお邪魔しました。こちらは県道沿いの歩道からも階段でつながっており、24時間使用することができます。

テラス席の様子

陽当たりの良いテラス席

 

「ここがテラス席!寒い!!館内があったかいんで上着を脱いできてしまいました…」(取材は1月)


『しらかわてらす』という名前で、ゆっくりできるのはもちろん、フォトスポットにもなってます」


「フォトスポット!じゃあ撮りましょう!!」

フォトスポットで撮影する佐伯さんと澁谷

フォトスポットでのポーズがわからない中年男性2人。文字にはかわいい茶葉があしらわれています

 

「こうやって白川町の中心地に、いつでもゆっくりできる場所があるのはほんとにありがたいです。とりあえず寒いんで戻りましょう!」

だれもが集える庁舎に

取材をしていると、どんどん人が集まって来ました。

2階から見下ろした、1階のエントランスホール

2階から見下ろした、1階のエントランスホール。ここでゆっくり過ごす人もいれば、知り合いとばったり会って話が弾むことも

 

笑顔で対応してくれた役場職員の方

笑顔で対応してくれた役場職員の方

 

「気づいたらエントランスホールにたくさん人が…!役場が、人の集まる拠点のような役割を果たしていますよね。コミュニティスペースというか」


「そうだと嬉しいですね。
用事がなくても、だれもが集えるような庁舎を目指してつくってきました。カフェもオープンしていますし、みなさん気軽に来てほしいです。お待ちしています!」

佐伯さん

 

取材年月:2026年1月 

【白川町役場】

〒509-1192

岐阜県加茂郡白川町河岐1705-2

  • 取材執筆:

    澁谷尚樹

  • 写真:

    山下拓哉

  • 監修:

    白川町役場振興課

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家を『屋号』でよびあう慣習が根づく白川町そんな町の想いを集め人と集落と未来をつなぐ